掲載日:2022.05.13
受取配当等の益金不算入制度の改正
受取配当等の益金不算入制度の改正
令和4年4月1日、グループ通算制度が施行されました。これに伴い、受取配当等の益金不算入(法人税法第23条)の制度が改正されました。
関連法人株式等と非支配目的株式等の定義、負債利子控除の計算が変更となります。
① 関連法人株式等について
改正前:発行済株式総数の3分の1超の株式等を一定期間保有している(当該法人1社で判定)
改正後:発行済株式総数の3分の1超の株式等を一定期間保有している(完全支配関係がある法人が有する株式を含めて判定)
(事例)自社がA社の株式を33%所有している。自社がB社の株式を100%所有している(完全支配関係)。B社がA社の株式を1%所有している。
この場合は、改正前では自社が所有しているA社株式の割合のみで判定するので、33%、つまり3分の1以下であるため関係法人株式等にはなりません。
改正後では自社とB社(自社と完全支配関係にある)が所有しているA社株式の割合で判定するので、33%+1%=34%、つまり3分の1超となるため関係法人株式等となります。
② 非支配目的株式等について
①と同様に完全支配関係がある法人が有する株式を含めて判定します。
改正前:発行済株式総数の5%以下を基準日において保有(当該法人1社で判定)
改正後:発行済株式総数の5%以下を基準日において保有(完全支配関係がある法人が有する株式を含めて判定)
③ 負債利子控除の計算について
関連法人株式等に係る配当等の額-関連法人株式等に係る負債利子
負債利子の計算
<原則>関連法人株式等に係る配当等の額×4%
<特例>その事業年度において支払う負債利子の額の10%相当額を上限とします。
つまり、原則的な計算方法で考えると、関連法人株式等の96%が益金不算入となります。
④ 施行時期
令和4年4月1日以後開始事業年度から適用されます。(同日以後に支払いを受けた配当から適用されます)